友愛書房: 場 所:東京都千代田区神田神保町1-44 電 話:03-3291-6327♪台風20号の接近の影響で、東京は、強風が吹き荒れ、雨も一時期、強く降りました。そんな悪天候のなか、昨日の午後、神田神保町にあるキリスト教専門書店の「友愛書房」に行ってきました。「友愛書房」では、古書のほかに新刊書も扱っています。 ♪なぜ、そんな悪天候の日に、行ったのかというと、『基督教会(ディサイプルス)史』(秋山操編著 基督教会史刊行委員会 1973)の取り置きを、今月末までの約束で、お願いしてあったからです。
♪巣鴨駅前から白山通りを後楽園遊園地(東京ドーム)方向に進み、水道橋を渡ってガードをくぐると、右側に東京歯科大学水道橋病院があります。神保町交差点に向かう三崎町交差点界隈は、以前と随分、変わりました。古書店に変わって、ドラックストアや飲食店が多くなり、昔の趣のある雰囲気は少なくなってしまったようです。 ♪水道橋駅から神保町交差点に向かう白山通りの左側の一帯は、明治のはじめから猿楽町と呼ばれていました。猿楽(さるがく)(のちの能楽)の家元・観世太夫(かんぜだゆう)や一座の人々の屋敷がこの辺りにあったことから、猿楽町の名が起こったそうです。 ♪染井霊園にお墓のある水原秋櫻子(豊)の水原産科婦人科病院(明治28年創立)は、この猿楽町12番地にありました。現在の日本大学経済学部のあたりと思われます。
♪水原秋櫻子のことなどを考えながら、カトリック神田教会(CATHOLIC CHURCH OF ST.FRANCIS XAVIER)の近くの路上パーキングに車を止めて、水溜りを気にしながら、白山通り沿いの「友愛書房」に向かいました。日本大学経済学部の並びです。
♪「友愛書房」には、学生時代に混声合唱をやっていたこともあって、ミサ曲やグレゴリオ聖歌など、合唱曲の演奏資料を探しに来たことがありました。30年以上も前のことです。お店の中は、昔と変わらない雰囲気でした。 ♪『基督教会(ディサイプルス)史』を入手しようと思ったのは、そのなかに、染井霊園の外人墓地にお墓のあるローダスカ・ワイリック(Loduska J. Wirick)(1856-1914)についての記載があることを知ったからです。 ♪はじめは、ワイリック女史のことではなく、慶應義塾大学に『解體新書』を寄贈した杉田つる氏(杉田玄白の子孫)のことを調べていて、『杉田つる博士小傳』(石原兵永編 杉田追悼文集刊行会 1958)という書籍が「友愛書房」にあることを知り、インターネット経由で購入しました。 ♪『杉田つる博士小傳』で、杉田つる氏が、医者であり、信仰に生きたキリスト信者であったことがわかってきて、自然と、宣教師で看護婦でもあったワイリック女史のことが浮かびました。(連載第66回、第67回) ♪ワイリック女史について、再調査したところ、文献として『基督教会(ディサイプルス)史』が見つかり、「友愛書房」に在庫があったというわけです。 ♪『杉田つる博士小傳』を、インターネットで探し当てたお陰で、その線上で、ワイリック女史の資料を発見することができ、30年振りの「友愛書房」への訪問に繋がったのです。 ♪「友愛書房」に行った日は、ちょうど、第48回神田古本まつりの期間中(平成19年10月26日-11月1日)で、『基督教会(ディサイプルス)史』を、割引価格で購入できたのもラッキーでした。 ♪神保町交差点の岩波アネックスビル2階にある「秦川堂書店」(関連第123回)も覗いてみたかったのですが、雨が強くなりはじめたので、次回の散歩に回すことにしました。小説家・逢坂剛さんのお気に入りだという喫茶店「ラドリオ」(神田神保町1-3)の探訪も次回の楽しみにとっておくことにしました。 (平成19年10月28日 記)(平成29年8月9日 追記) |